校舎焼失 空襲下当直中学生らの手記とそれに連なる回想
校舎焼失 空襲下当直中学生らの手記とそれに連なる回想 (こうしゃしょうしつ くうしゅうかとうちょくちゅうがくせいらのしゅきとそれにつらなるかいそう) は、空襲で校舎が全焼した昭和20年4月13日に「防衛宿直」だった3年E組の生徒らによる手記である。
編者 石上会
単行本203ページ
発行日 平成15年5月8日
発行者 村野啓一郎
製作 さとう出版
概要
昭和61年ごろに創立70周年記念誌「立志・開拓・創作 -五中・小石川高の七十年-」の企画とともに当時の紫友同窓会会長の原田稔とE組幹事の中村晃らが中心となって、空襲当時の様子を伝える手記を集めた。70周年記念誌の紙面構成上すべての手記を掲載できなかったことから、このとき寄稿された全ての原稿と新たに加わった寄稿とともに刊行した。
後記によると、後年になって書かれたもので各人の記憶が一様ではなく各々の記述にかなり食い違いがあるが、記憶の個人差のほか当夜それぞれが見ていた視点も異なり、個々の心象が少しずつ違うからであり、今となってはむしろ全てが真であるとして、(編集上の若干の修文は別として)一切もとの原稿のまま収録したとのことである。
空襲当時に何があったのか16名の手記で構成した第1部「九死一生」、戦時の彼らの体験をそれぞれの立場から問わず語りにした第2部「中学生達の戦時」の2部で構成されている。
目次
- まえがき
第一部 九死一生
- 校舎焼失
- 上中里・平塚神社の大木にすがって
- 猛火を逃れて
- 最高気温二十五・八度の春の夜のこと
- 不発弾落下の瞬間を見た
- 沈着だったわが友
- アルミの弁当箱を残して
- 思わず防火用水に飛び込んだ
- 無我夢中。恐怖心はなかった
- 「君達は死んだのかと思った」
- 焔を逃れて上野の森まで
- 四月十三日の思い出
- 都立五中焼失の日の記憶
- 悲劇の夜、奇跡的に怪我人もなく
- 「あの日」
- 校舎の燃えた夜
第二部 中学生達の戦時
- 日本書籍の頃
- 勤労動員、農耕作業のことなど
- 恐れもなく気負いもなく
- 勤労動員、罹災、疎開の中学時代
- 「印刷科日誌」残欠より
- 東京大空襲
- 我が空襲体験の記
- ナマの敵B29と向き合った
- 大東亜戦争 - 少年期の断片
- 私の中学時代
- 「開拓挺身隊」について
(関連資料)
- 学校の防空体制に関する法令・指導など
- 学徒勤労動員に関する根拠法令など
後記
付録
- 記録収集の呼びかけ-昭和六十一年五月
- 都立五中周辺図と生徒達の避難経路
- 昭和十九年作成 都立五中二年E組名簿 再録
- 都立五中校舎平面図
- E組一同の入学時写真
避難経路
付録に宿直していた生徒たちの避難経路が掲載されている