紫友会

提供:五中・小石川デジタルアーカイブ
2018年8月26日 (日) 21:54時点におけるKoishikawa Admin 11 (トーク | 投稿記録)による版 (→‎沿革)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
ナビゲーションに移動 検索に移動

一般財団法人紫友会(しゆうかい)は、教育環境の整備充実を支援することを目的に東京府立第五中学校(現:小石川中等教育学校)初代校長伊藤長七の私財と篤志家の出資で設立された団体。同校の同窓会やPTAより早く発足し、府立五中から都立小石川高等学校・都立小石川中等教育学校まで、活動・存続している。同校の同窓会である紫友同窓会とは関係が深いものの別組織である。

戦前には運動場(4400m2=現校舎の土地)、開拓館(戦災で焼失)を寄付し、戸隠(現所有)、千葉保田、国立の土地建物などを所有し、学校・生徒・教職員に提供した。戦後は、保田、国立などの土地・施設を売却、創立50周年記念として紫友会館(現存)を建設し、東京都に寄付したが、同窓生の大半はそのことを知らない。

沿革

1919年(大正8年):4月24日 府立第五中学校開校にあわせ同月紫友会発会。発会式の記念写真を掲載した開拓のキャプションには「鎌倉八幡宮前にて」と書かれているので発会式はここで行われたと思われる。

紫友会発会記念写真

課外活動として、雑誌・談話・遊技・柔剣道・遠足・水泳の6部が設けられた。[1]

紫友会の沿革を伝える記事

1920年(大正9年)1月31日:紫友会雑誌「開拓」第1号発刊

1920年(大正9年)9月20日:夏休み記念展覧会(第一回創作展)

1921年(大正10年)3月:財団法人紫友会発足(校長を理事長、生徒、卒業生、教職員、父兄を会員とした)

1921年(大正10年)3月22日:評議委員会・隣接土地を買い入れ学校に寄付することを決議。学校債4万円発行。[2]

1921年(大正10年)6月29日:文部省より財団法人紫友会に設立認可[2]

1921年(大正10年)7月:紫友会、運動場(約4400平米、25,000円)寄付[2]

1922年(大正11年)7月:紫友会・図書及び体育場(開拓館)建設のため校地約200平米を借りる。[2]

1922年(大正11年)11月30日:開拓館工事竣工[2]

1929年(昭和4年):保田に水泳部宿舎開設。紫友同窓会が紫友会より独立。

1933年(昭和8年):国立に見心寮開設。紫友報国団結成

1948年(昭和23年)6月:PTA発足、この頃財団所管が文部省から東京都になる

1950年(昭和25年):都立小石川高等学校に改称、同年生徒会が紫友会より独立

1959年(昭和34年)12月24日:監督官庁が文部省から都教育委員会に移る。

1963年(昭和38年)5月:戸隠所有地のうち原野部を戸隠農業委員会に売却し、代金15万420円。

1968年(昭和43年)7月:紫友会館落成

1968年(昭和43年)10月:学校創立五十周年記念式典挙行

2013年(平成25年):10月 東京都知事の認可を得て一般財団法人として法人登記(移行登記)

各種活動

昭和12年度の学校一覧にはこの当時の紫友会(校友会)が生徒、卒業生のために行なっていた活動が記録されている。

国語談話会 【目的】国語、国学、国文等に関する諸問題に興味関心を有つもの、集まりて趣味情操を涵養するかたわら学課の補習をもなす

【例会】毎月一回開催、各自持ち寄りの材料で座談的に語り合う

【会員】上級生、卒業生若干名

【会費】当分不要

歴史研究会 【例会】毎月一回開催し、会員の研究発表・討論・史料・著書の紹介を行う、幻燈を用いて数回継続的の講話を行う事もある

【遠足】毎学期一回、近郊の史跡を探査する為の遠足を行う

【郷土資料収集】学校を中心として郷土史研究の為、資料の収集整理をなす

【会報】毎年一同随時発行する

紫友地理学談話会 【例会】毎月一回くらい開き、会員の研究発表、地理に関するニュースの紹介、討論、地形図の相互研究などを行う

【月報】例会記事、会員の研究などを掲載し毎月一回発行する

【遠足】一学期一回くらい、近郊の勝地を探る

博物学会 【目的】博物に趣味を有する者をもって組織し博物に関する研究ならびに相互の懇親をはかるため

【会費】不要、但し採集旅行、例会等に要する会費はその都度参加者の自辨とする

【例会】毎学期一回

【採集旅行】第一、第二の両学期に各一回

紫友観測所 【観測】毎日午前10時、気圧、気温、雲量、雲形、風向、降水量、湿度、地中温度(10cm, 20cm, 30cm, 1m, 3m)を観測す

【例会】毎学期一回、研究発表、雑誌の紹介などをなす

【講習会】初学年の生徒のため希望者を集め気象観測指導講習会を毎年一回開催す

【購買雑誌】「天気と気候」

【観測報告】年報を作成し発表す

理化学研究会 【実験】志望者には毎週火曜、土曜を限り物理および化学の実験を行う、この場合実験に先ち計画の概略を提出せしめ、実験後はその報告をなさしむ

【例会】毎月一回開催し、研究発表、意見交換をなす

【会報】毎学期一回発行

天文研究会 【観測】毎日太陽黒点の観測をなす、毎月第二土曜夜定期観測会を催す、その他必要に応じ随時観測をなす

【例会】毎月一回、研究発表、雑誌紹介などをなす、毎年七夕祭、十五夜月見会を行う

【会誌】「星」を毎学期一回発行、「スピーカ」および星図を毎月一回発行す

【購読雑誌】天文月報、天界

美術研究会 【目的】美術に趣味を有する者が集って美術鑑賞および技術の向上を計り、また会員相互の親睦を計る

【会費】必要に応じてその都度会費を徴収する

【事業】毎週一回ないし二回課外実習および研究を行い、小展覧会を毎学期一回、大展覧会を年一回開催し、随時見学および写生旅行などを行う

補習科 【修業期間】四月中旬より翌年二月末までとす

【学科目】国語、漢文、作文、英語、代数、幾何とし毎週教授時間は22時間とす、但し時宜によりさらに地理、歴史、理化、博物を加う

【学級】補習科を第一部および第二部に分つ、第一部は午前に四時限(午前8時より同12時まで)の授業をなす、第二部は午後に四時限(午後零時40分より午後4時30分まで)の授業をなす、但し土曜日には第一部は午前8時より10時まで、第二部は午前10時より12時まで各二時限の授業をなす

【考査】6月、11月、1月、2月に試験を行いその成績につき講評す

関連項目

全卒業生を対象とした同窓会である紫友同窓会とは別に、ある程度の規模で活動している同窓会がいくつかある。いくつかは紫友会の名を用いているが、財団法人との関係性はない。

外部リンク

一般財団法人紫友会


脚注

  1. 創立70 周年記念誌
  2. 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 創作第90号(昭和47年3月15日発行)